ビックリ仰天!中国事情

第1回 なぜ第2子を産みたくない?

日曜の朝10時、ワイドショーでMC東野幸治が少子化に対するシンポジウムにおいて小泉進次郎議員をインタビューしたのを面白く見ました。小泉議員が少子化問題解決で第3子支援を第1子支援に変えていきたいと主張されていますが、ご自身が34歳の独身で、政府の会議でもまずは結婚だといわれるぐらいとのことだそうで、少子化の要因はそもそも結婚できる、あるいは結婚する人が減ってきている非婚化が大きいこととされている中、その説得力は確かに薄いかもしれません(笑)。
私は、日本に生活していたとき、家族手当などの制度上の保護を受け、女性が安心して子育てできると感じていました。中国では、女性が専業主婦であっても主人に家族手当が支給される制度がないこともあって、共働きのパターンが通常です。このため、子供をお手伝いさんやおじいちゃん、おばあちゃんに任せることになりますが、これとは比べものにならないと思っていました。昨年、中国で40年近く実施してきた一人子政策が緩和され、夫婦のうち一方が一人っ子の場合、第2子の出産(中国語でいわゆる「単独二胎」)が認められましたが、実際に当該政策の下で生まれた子供の人数は、政策を立てた当時に予想していた人数より全然少ないと言われています。ウィーチャットで子を1人持っているママが書いた「なぜ私が二人目を産まないか」について大議論になっていて、その中で大きな原因として、共働きという通常のパターンにおいて、育児を手伝ってもらう人がいないことや、養育費が高すぎることなどが挙げられています。これらの現実的な問題を考えると、別に誰でも二人目を欲しがるわけがない、政府にいわれなくても一人で十分・・・・という考えが強くなってきているようです。


私の友人ですでに男の子1人をお持ちのママが、自身が一人子政策の下で生まれた初代目の一人子であるため、今、二人目を産んでもよいことになりました。同窓会で周りの人から「もう一人を産みますか」と聞かれ、「とんでもない。うちは「招商銀行」がほしいけど、一人目はすでに「建設銀行」だから、また男の子が生れたら冗談じゃないよ」という返事が返ってきました。「招商銀行」と「建設銀行」はどういう意味か不思議に思う方もいるでしょうから、ちょっと説明します。これは、一種の皮肉で、最近中国で流行っている面白い表現です。「建設銀行」は名前の通り建設事業への投資が主な目的の銀行。将来お嫁さんをもらうために、車・家など準備しなければならず費用がたくさんかかるという意味で、「招商銀行」は字面から「商いを招く」⇒お金が入ってくるということで、娘を嫁に出すのでお金は用意しなくても良いという意味です。これらのことから、男の子は「建設銀行(金を使うばかり)」、女の子は「招商銀行(儲けてばかり)」と呼ばれています。最近は女児の方が喜ばれ、出産祝いも女児の方が盛大に行われるといった話もよく聞きます。


中国の既婚女性は、専業主婦であっても主人に家族手当が支給される制度がないし、極少人数の少数民族を除いて、第1子支援はともかく第3子支援政策なんて聞いたこともありません。おまけに教育費用が年々上昇しており、中国の育児環境と比べると、日本のママさん達のほうがよほど幸せですね。

2015/7/13

*本記事は、中国関連の一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は当事務所にご相談下さい。

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