第19回 台湾のゴミ収集

皆さん、こんにちは。黒田日本外国法事務弁護士事務所の外国法事務律師の佐田友です。

最近はずいぶん暖かくなりましたね〜。日本では、まさに三寒四温で寒いのと暖かいのを繰り返しながら春が過ぎ、夏に近づいていくというイメージですが、台湾は一気に夏が来るのかなぁと思いつつ日々、過ごしております。こないだも、中山堂という歴史建造物の2階のテラスでお茶をしていたのですが、日なたは暑すぎでしたので、日陰の席に座りましたよ。台湾の日差しは強いですね〜。

さて、本日は台湾のゴミ収集について、書いてみます。
ゴミは台湾で生活している限り出てきますので、駐在されている方であれば、自分のマンションなどですべてのゴミを処理してくれるという人を除き、どのようにゴミを出すかはご存知だと思います。

そうです、あのメロディーとともにやってくるゴミ収集車ですよね!!私が居住しておりますエリアでも、夜、ゴミを持った人々とすれ違い始め、「そろそろ来るかなぁ」って思っていますと、確実に「エリーゼのために」が聞こえて来るんです。ゴミを事前にゴミ置き場に出しておき、それを後からやって来たゴミ収集車が回収していくという日本の方式に慣れていた私には、ゴミ収集車に直接、ゴミを渡す台湾方式は非常に新鮮でした。「エリーゼのために」はすっかりテーマ音楽みたいになっているので、この音楽が聞こえてきて、「あっ、今日はゴミを出す日だ」と思い出す人もおられるのでしょう。

台北に私が住み始めた最初の頃は、日本との違いにびっくりしましたが、今は、ゴミ置き場を巡るトラブルも無くせますし、カラスなどに荒らされて無残な光景になることもないので、台湾のゴミ収集方式は合理的な仕組みだなぁと思いますね。生ゴミなどは、日本より暑い台湾では腐り易いということもあるのでしょう。

台湾方式の難点は、ゴミ収集車が来る時間に仕事や予定などがあって、ゴミを出せないということが続いてしまったときでしょうね。でも、こういう場合には、近所の方にお願いしたり、家庭ごみを引きうけてくれる会社(台湾にはたくさんあるそうです)に、有料で引きうけてもらったりするとのことです。

このようなゴミ置き場を無くす政策が開始されたのは、1996年前後のようです。法律でどのように規定されているか確認しますと、一般廃棄物回収除去処理弁法(中文では「一般廢棄物回收清除處理辮法」)という法律において、一般ゴミの回収方法の一つに執行機関が指定する時間、場所及び作業方式に基づき、執行機関又は受託機関のゴミ収集車が収集を行うということが規定されています。そして、この作業方式に関し、台北市政府環境保護局などは公告で「所定の曜日、時間に、ゴミ回収車に直接、ゴミを手渡すこと」というように定めているんですね〜。

台湾のゴミ出し方式のおかげか、台北ではカラスを見かけないような気がします。単に台湾が日本よりかなり南に位置するので、カラスの生息地域ではないということかもしれませんけど(笑)。


*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は当事務所にご相談下さい。

執筆者紹介

弁護士 佐田友 浩樹 (黒田日本外国法事務律師事務所 外国法事務律師)

京都大学法学部を卒業後、大手家電メーカーで8年間の勤務の後、08年に司法試験に合格。10年に黒田法律事務所に入所後、中国広東省広州市にて3年間以上、日系企業向けに日・中・英の3カ国語でリーガルサービスを提供。13年8月より台湾常駐、台湾で唯一中国語のできる弁護士資格(日本)保有者。趣味は月2回のゴルフ(ハンデ25)と台湾B級グルメの食べ歩き。