第20回 死刑について、あれこれ

皆さん、こんにちは。黒田日本外国法事務弁護士事務所の外国法事務律師の佐田友です。

最近、有名な麻辣鍋のお店で、使用しているとしていた漢方食材の一部が実際には使われていなかったという報道がよくされていますね〜。その店は、衛生局の立ち入りを受け、既に食品衛生安全管理法違反であるとして罰金に処せられました。私もその店の台北の店舗に行ったことがありまして、すごく多くの人でにぎわっていたのを覚えています。

私などは、体にいいと思われる食材が使われていたから、その店に行ったというわけではないのですが、お客さんの入りはどんな影響を受けているんですかね〜。今度、近くを通る時にのぞいてみようと思っています。

今日は、台湾の死刑の話にびっくりしたので紹介しますね〜。

そもそも、台湾の死刑がどのように行われているかご存知ですかね?実は台湾では銃殺により、死刑が執行されます。日本の死刑は絞首刑ですので、日本とは異なるんです。

監獄行刑法という法律に死刑の執行方法が規定されており、法律上は、銃殺以外に薬剤を注射する方法による死刑も定められていますが、実務上は銃殺のみが行われているようです。
さらに、「執行死刑規則」という法規に、銃殺の執行方法が細かく規定されています。死刑の執行を受ける人につき、執行を行う人に対し背中を向けさせなければならないとされており、心臓を目標に背後から銃撃がなされるということが規定されています。仮に、臓器提供を行う受刑者であれば、検察官は頭部を射撃する方式で死刑を執行するように命じることができるとも規定されています。なかなか、細かく規定されていますよね〜。その他にも、受刑者を銃撃するときに、執行者と受刑者の距離は2メートルを超えてはならないという規定もありました。

実際に銃殺を執行する人の気持ちはなかなか想像できるものではありませんし、私など考えただけでも「怖い」って思っちゃいますが、台湾人の同僚と話すと職務として粛々と執行するのではないかと言っておりました。確かに、そこにあまり感情を挟むものではないのかもしれませんね〜。

日本では、複数の刑務官が同時にボタンを押して、絞首刑を執行すると聞いたことがありますが、このような刑務官が抱くであろう罪悪感への配慮は銃殺による死刑執行では難しいですよね。

ちなみに台湾の死刑執行数は、増減はもちろんあるものの、最近は、毎年5〜6人程度でした。日本との比較ですが、日本では、執行が多い年と少ない年があり、2008年には15人が死刑執行を受けた一方で、2011年は一人も執行を受けていません。時の法務大臣が執行するかどうかを決定するので、そこにどのような考慮がなされているのかは不明なんです。

死刑廃止の世界的な流れもあり、台湾や日本で将来的にずっと死刑が執行され続けるかはわかりません。いずれにしろ、しっかり議論しなければならない問題ではあると思います。


*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は当事務所にご相談下さい。

執筆者紹介

弁護士 佐田友 浩樹 (黒田日本外国法事務律師事務所 外国法事務律師)

京都大学法学部を卒業後、大手家電メーカーで8年間の勤務の後、08年に司法試験に合格。10年に黒田法律事務所に入所後、中国広東省広州市にて3年間以上、日系企業向けに日・中・英の3カ国語でリーガルサービスを提供。13年8月より台湾常駐、台湾で唯一中国語のできる弁護士資格(日本)保有者。趣味は月2回のゴルフ(ハンデ25)と台湾B級グルメの食べ歩き。