第317回 台湾における医療機器管理の新時代

 立法院は12月13日に「医療機器管理法」(以下「本法」)を可決しました。本法は、医療機器の管理を従前の「薬事法」から切り離して、製品の出所と流通先についてのデータ作成、一部の低リスク医療機器の登録電子化の実施、許可証の有効期間についての柔軟な決定、および業者の自発的な通報義務などの制度を追加し、整理統合した新法です。

 本法のポイントは以下の通りです。

  1. 医療機器の「設計」に従事し、かつその名義で市販を行う者は医療機器製造業者に含まれる
  2. 医療機器の保守業者を管理対象とし、特定の医療機器の販売と供給の形態を規範化する
  3. 医療機器業者の管理制度を整え、医療機器の製造・販売業者の管理、製品の出所・流通先のデータの作成、製造・品質管理システムの要件、輸送・販売管理についての規定を規範化する
  4. 製品のリスクレベル別管理を実行し、一部の低リスクの医療機器については検査登記制度から電子化されたオンライン登録制度に変更し、年度申告により登録の効力を延長継続する
  5. 医療機器の臨床試験の管理を規範化し、試験の実施期間中に発生した臨床試験に関する有害事象はすべて通報しなければならず、実施期間中に安全面の恐れがある場合は臨床試験を中断または終了することができ、また、リスク管理を実行するために、顕著なリスクがないと公告された医療機器の臨床試験については主管機関への承認申請を不要とすることを明確に定める
  6. 市販後の医療機器の安全性についての監督管理を強化し、市販の医療機器の品質と安全性を確保し、一部の特定の高リスク医療機器については安全性モニタリングを実施しなければならず、医療機関はこれに協力しなければならない。また、業者に市販後の製品の自発的モニタリングによるリスク管理を行わせ、必要な是正・予防措置を実施する

段階的施行の可能性も

 なお、本法の制定に合わせて、一部の新しい制度と措置について業者に準備期間、および猶予期間を与える必要があるとの考慮がなされており、本法の施行日は、今後行政院により定められます。行政院は、状況に応じて本法の一部または全部について異なる施行日を定めることができるため、段階的な施行となる可能性もあります。


*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。

執筆者紹介

台湾弁護士 鄭惟駿

陽明大学生命科学学部卒業後、台湾企業で特許技術者として特許出願業務に従事した後、行政院原子能委員会核能研究所での勤務を経験。弁護士資格取得後、台湾の法律事務所で研修弁護士として知的財産訴訟業務に携わる。一橋大学国際企業戦略研究科を修了後、2017年より黒田法律事務所にて弁護士として活躍中。

本記事は、ワイズコンサルティング(威志企管顧問(股)公司)のWEBページ向けに寄稿した連載記事です。