第405回 廃棄物処理の連帯責任を免れる方法

 事業活動において生じた事業廃棄物については、廃棄物処理法(以下、条文番号のみ記載)第28条以下の規定に従い処理する必要があります。事業者は、廃棄物の処理を廃棄物処理業者に委託する場合であっても、当該廃棄物を処理することにつき、廃棄物処理業者と連帯責任を負います(第30条第1項前段)。委託を受けた廃棄物処理業者が適切に処理せず、かつ、委託した事業者が相当の注意義務を尽くさなかった場合、委託事業者は廃棄物処理業者と共に当該廃棄物の処理および環境改善について連帯責任を負います(同項後段)。

 事業者処理委託の相当の注意義務認定準則(以下、準則と記載)第3条によると、事業者が「相当の注意義務」を尽くしたと認定されるためには、以下の措置を講じている必要があります(公告により「廃棄物専業技術人員」を設置しなければならないとされる事業者はさらに厳格な要件があります)。

注意義務の認定基準

1.廃棄物処理関連業務を取り扱う担当責任者を配置している
2.処理を委託する前、関連規定に従い、廃棄物を分類および貯蔵している
3.廃棄物処理の委託について書面の契約を締結する際、以下の事項を確認している
(1)受託者が法に従い当該類目の廃棄物処理資格を取得している
(2)受託者が処理を完了した後、適切処理記録書面(準則の添付1)を提出しなければならない旨が契約に明記されている
(3)有害事業廃棄物等、準則の添付2に列挙された廃棄物の処理を委託する場合、受託者が廃棄物処理状況調査に協力しなければならない旨が契約書に明記されている

4.受託者に以下の事情が1つでもある場合、所在地の環境局に通報している
(1)適切処理記録書面を提出しない
(2)廃棄物処理状況調査に協力しない
(3)事業廃棄物の清掃車両が契約と一致しない
(4)廃棄物処理法の関係規定を順守せず、清掃、処理、廃棄物再利用を行い、かつ投棄もしくは環境汚染の恐れがある

 廃棄物処理を業者に委託した場合、その後の処理については責任を負わないと考えてしまいがちですが、上記のような措置を講じていなければ、万が一の際に廃棄物処理業者と連帯責任を負うことになってしまうので、あらかじめ対策しておく必要があります。


*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。

執筆者紹介

弁護士 福田 優二

大学時代に旅行で訪れて以来、台湾に興味を持ち、台湾に関連する仕事を希望するに至る。 司法修習修了後、高雄市にて短期語学留学。2017年5月より台湾に駐在。 クライアントに最良のリーガルサービスを提供するため、台湾法および台湾ビジネスに熟練すべく日々研鑽を積んでいる。

本記事は、ワイズコンサルティング(威志企管顧問(股)公司)のWEBページ向けに寄稿した連載記事です。