第631回 株式会社の清算
日系企業が台湾から撤退する場合、主に、台湾法人の株式を第三者に譲渡する方法と台湾法人を解散・清算する方法が考えられます。今回は後者の台湾法人(株式会社)の解散・清算の手続きについて紹介いたします。
解散事由と手続き
会社法(以下では条文番号のみ記載します)第315条第1項では、株式会社の解散事由として、①定款に定められている解散事由、②会社の経営事業が完了し、または完了不可能になった場合、③株主総会において解散の決議が行われた場合、④解散の命令または裁判等が規定されています。特殊な事情がない限り、③株主総会の解散決議によりますが、これには株主総会特別決議が必要です(第316条第1項)。
解散決議後、清算に必要な主な手続きは以下のとおりです。清算人はこのような清算手続きを原則として6カ月以内に完了しなければなりません(第334条、第87条第3項)。
・清算人の選任と裁判所への清算人就任の届出(第334条、第83条)
※会社法もしくは定款に別段の定めがある場合または株主総会において別途清算人を選任する場合を除き、原則として董事(取締役)が清算人となります。
・会社の財産状況の検査、財務諸表および財産目録の作成、監査役による監査および株主総会の承認後の裁判所への届出(第326条第1項)
・債権届出の公告と催告(第327条)
・債務弁済後の残余財産の分配(第330条)
・清算の結了後15日以内に決算書類を作成、監査役による監査、株主総会の承認(第331条第1項)
・決算書類に関する株主総会の承認後15日以内に裁判所への届出(第331条第4項)
上記のほか、会社の清算においては、営業税や所得税の申告、税籍登記の抹消申請等、税務上の手続きも必要です。また、日系企業が台湾から撤退する場合、経済部投資審議司に対して撤退の申請が必要です。
以上のように、会社の清算にはさまざまな手続きが必要であり、かつ期限も設けられているため、専門家のアドバイスを受けながら手続きを進めることをお勧めいたします。
*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。
執筆者紹介
大学時代に旅行で訪れて以来、台湾に興味を持ち、台湾に関連する仕事を希望するに至る。 司法修習修了後、高雄市にて短期語学留学。2017年5月より台湾に駐在。 クライアントに最良のリーガルサービスを提供するため、台湾法および台湾ビジネスに熟練すべく日々研鑽を積んでいる。
本記事は、ワイズコンサルティング(威志企管顧問(股)公司)のWEBページ向けに寄稿した連載記事です。
