第216回 関税の免税範囲について

2017年9月25日、財政部は、航空運送貨物通関規則および小包郵便物輸出入通関規則を一部改正し、これまで輸入物品の「課税価格」が3,000台湾元以内であれば免税であったのを、18年1月1日からは免税範囲を2,000元以内に引き下げることを決定した(ただし、タバコ、酒、関税割当が実施される農産品は免税されない)。

近年、国境を越えるオンラインショッピングが盛んになり、消費者が直接海外のオンラインショップで購入し、免税で輸入するのが通例となっており、これは台湾域内の小売業にとって不公平な競争をもたらすため不利である。

財政部は、台湾域内の小売店と海外のオンラインショップサイトは、同じ基盤で公平な競争を行うべきであり、免税のハードルを2,000元に引き下げることが合理的と考えたため、上記のような改正を行った。

台湾に貨物を輸入する場合の輸入税および営業税

台湾に貨物を輸入する場合、「課税価格」を基に、輸入税および営業税が徴収される(複数の物品が1つの貨物にまとめられており、その内容物に輸入税率0%の物品が含まれている場合に、輸入税の課税対象物品だけでは「課税価格」が3,000元を超えていなくても、内容物品全体として3,000元を超える場合には、輸入税および営業税が徴収される)。

この「課税価格」は、発地国で船、飛行機に搭載された時点の物品価格+送料+保険料の総額である。輸入税率が違う複数の物品が1つの貨物にまとめられている場合、各物品の送料と保険料は、物品価格の比率によって算出する。

輸入税は「課税価格」×輸入税率で計算される。また営業税は、(「課税価格」+輸入税)×営業税率5%で計算される。

免税は半年度で6回まで

17年7月1日に施行された「関税法第49条第2項ただし書でいう輸入回数頻繁認定原則」によると、関税法第49条第2項ただし書により免税の対象外とされる輸入回数が頻繁である場合とは、同一納税義務人が半年度で6回を超えて免税範囲内の貨物を輸入する場合を指す。

ここでいう半年度とは、毎年1月から6月までおよび7月から12月までを指す。輸入回数の認定時点は、通関申告書に記載された輸入日付を基準とし、毎年1月1日および7月1日から新たに計算する。


*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は当事務所にご相談下さい。

執筆者紹介

弁護士 福田 優二

大学時代に旅行で訪れて以来、台湾に興味を持ち、台湾に関連する仕事を希望するに至る。 司法修習修了後、高雄市にて短期語学留学。2017年5月より台湾に駐在。 クライアントに最良のリーガルサービスを提供するため、台湾法および台湾ビジネスに熟練すべく日々研鑽を積んでいる。

本記事は、ワイズコンサルティング(威志企管顧問(股)公司)のWEBページ向けに寄稿した連載記事です。