改正労働者休暇規則施行後の対応について
台湾では、「労働者休暇規則」(中国語:勞工請假規則)が一部改正のうえ、2026年1月1日より施行されました。
1.「労働者休暇規則」とは
「労働者休暇規則」とは、労働基準法の下位法令です。労働基準法に規定しきれない、労働者の休暇に関するルールを詳細に定められています。そして、労働基準法上、就業規則には、「労働時間、休憩、休暇、国定の記念日、特別休暇および継続的業務における交替勤務の方法」についても記載しなければならないとされています(労働基準法第70条第1号)。このことからも、「労働者休暇規則」は就業規則を作成するうえで欠かせない法令であり、かつ、遵法の重要性をご理解いただけるかと思います。
2.改正の概要
今回の主な改正点としては、以下の3点が挙げられます。
⑴労働者の家族の看護を対象とした休暇取得が可能に
今回の改正により、労働者が家族を自ら看護する必要がある場合には、時間単位で事由休暇を取得できることが明文化されました。具体的には、ベビーシッターが急に来られなくなった場合や、家族が重大な傷病に罹患した場合等が想定されています。
⑵休暇取得を理由とした皆勤手当控除の禁止
改正前の段階でも、婚姻休暇、忌引休暇、公傷病休暇等を取得した場合には、皆勤手当を控除してはならない旨が規定されていました。今回の改正では新たに、①労働者が家族を自ら看護する必要により事由休暇を取得した場合(上記⑴)、および②妊娠3か月未満で流産し産前産後休暇を取得しなかった場合に普通傷病休暇を取得した場合においても、使用者は皆勤手当を控除してはならないことが規定されました。
⑶労働者の病気休暇に関する規定の新設
労働者が1年以内に取得した普通傷病休暇が10日を超えない場合、使用者は当該休暇取得を理由として不利益な取扱いをしてはならないことが明文化されました。また、労働者が普通傷病休暇を10日以上取得した場合であっても、使用者が人事評価を行う際には、当該労働者の業務能力、勤務態度および実際の業績等を総合的に考慮しなければならず、普通傷病休暇の日数のみを考慮要素としてはならないとも規定されています。
3.就業規則改正にあたっての留意点
今回の改正を機に、就業規則の見直しを実施される場合にはご留意いただきたい点があります。法令上、労働者の雇用人数が30人に達したときは、使用者は就業規則を作成し、30日以内に所在地の所轄官庁に届出を行い、確認等を受けなければならないのは、以前ご紹介のとおりです。この「所轄官庁への届出および、確認等を受ける」一連の流れは、就業規則を修正した場合であっても行う必要があります(労働基準法施行細則(中国語:「勞動基準法施行細則」)第37条第1項、第3項)。就業規則の見直しにあたっては、会社の運用を可能な限り反映したうえで、法令に抵触しない(有効な)ものとすべく、専門家のアドバイスも受けながら検討されることをお勧めいたします。
*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は当事務所にご相談ください。
【執筆担当弁護士】
