「専利法」改正案が2012年11月に施行

2月9日、台湾の経済部知的財産局は、2011年12月21日に台湾総統が改正のうえ公布した「専利法」改正案が本年(2012年)11月29日に施行されると発表した。改正された「専利法」の条文は計159条(改正108条、追加36条、削除15条)であり、今回の改正には各種特許制度の変更が含まれている。

今回の主な改正点は以下の通りである。

  1. 意匠に関する改正
    意匠の名称が「新式様専利」から「設計専利」に変更され、また、部分意匠、派生意匠、組物の意匠、コンピュータアイコン(Icons)及びグラフィカルユーザーインターフェース(GUI)等についても出願可能となった。そのため、たとえば、スマートフォンのユーザーインターフェース、ホーム画面及びAPPアプリケーションプログラムの画像等について、将来的に意匠を出願することが可能となる。
  2. 医薬品及び農薬の特許の期間延長の規定の緩和
    医薬品、農薬又はその製造方法の発明特許権を実施する場合(市場で製品の販売を行う場合などを指す)、別途許可証を取得しなければならないが、旧法においては、特許権取得の公告後、許可証に関する審査期間が2年以上かかる場合、1回を限度として、2年から5年間の範囲で特許期間の延長を申請することができた。これに対し、改正後の新法ではこの2年の下限が削除され、許可証に関する審査期間が2年以上かかる場合、1回を限度として、5年以下の期間であれば、いかなる期間でも特許期間の延長を申請することができるようになった。
  3. 強制許諾の申請要件の規定の明確化
    特許の強制許諾の申請要件について、旧法の規定は他国と比較するとかなり緩いものであり、かつ規定が曖昧であったため、実務上、双方が特許許諾について合意に至らない場合には、一方がすぐに強制許諾を要求するという不合理な事態が生じていた。そこで、新法では、出願者が公益を有するか、その特許権の実施に経済的に重要な技術改良がある等、具体的な事由がある場合でなければ強制許諾を申請できない旨が明確に規定された。
  4. 「国際消尽原則」の明確化
    旧法では、特許権において、国際消尽原則が採用されるか否かが明確に規定されていなかったが、新法では国際消尽原則が明確に採用されている。即ち、特許製品が国外市場において適法に販売されてから国内に輸入された場合、権利侵害を構成しないとされることになる。
  5. その他の制限規定の緩和
    新法においては、手続き上の多くの制限規定についても緩和されている。たとえば、旧法では、発明特許の出願者が明細書又は図を補充、修正しようとするときは、出願日から15ヶ月以内に行わなければならない旨が規定されていたが、新法ではこの規定が削除されている。

新法を本年11月に円滑に施行するため、現在、知的財産局は専利法施行細則、特許審査基準等の関連法規の制定を進めているところである。


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【執筆担当弁護士】

弁護士 黒田健二 弁護士 尾上由紀 台湾弁護士 蘇逸修