営業秘密法の改正

台湾の立法院は1月11日に三読(立法過程の最終決定段階)において、営業秘密法の改正条文を可決した。改正のポイントは以下の通りである。

1.新法第13条の1によれば、行為者が台湾国内において窃取、横領、無断複製等の不正な方法により営業秘密を侵害した者に対し、5年以下の有期懲役に処し、かつ100万元以上1000万元以下の罰金を併科することができる。また、犯罪行為者の得た利益が罰金の最高額である1000万元を超える場合、得た利益の金額を考慮の上、当該利益の3倍を上限として、併科する罰金を増額することができる。

2.新法第13条の2によれば、国外で営業秘密を使用することを企ててその営業秘密を侵害する、いわゆる「国際的商業スパイ行為」を行った場合、より重い処罰がなされる。法定刑は1年以上10年以下の有期懲役であり、300万台湾元以上5,000万元以下の罰金を併科することができる。また、犯罪行為者の得た利益が罰金の最高額を超える場合、得た利益の金額を考慮の上、当該利益の2〜10倍を上限として、併科する罰金を増額することができる。

3.新法第13条の4によれば、法人の代表者、法人又は自然人の代理人、被雇用者又はその他の従業員が、業務の執行により、第13条の1、第13条の2の犯罪行為をなした場合、その行為者が処罰されるほか、行為者が処罰された場合には当該法人又は自然人に対しても同条の罰金が科される。但し、法人の代表者又は自然人が犯罪の発生を防ぐために尽力した場合はこの限りではないとされている。
立法委員によれば、ここ数年来、台湾の科学技術産業において、度々、会社の上層部の技術者が外国の会社に高給でヘッドハンティングされているため、営業秘密が国外に流出しており、またこれにより台湾の産業におけるイノベーション能力が損なわれているため、今回の法改正により、台湾の産業の営業秘密及び国際競争力の保護を強化したいとのことである。


*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は、当事務所にご相談ください。

【執筆担当弁護士】

弁護士 黒田健二 弁護士 尾上由紀 台湾弁護士 蘇逸修