第338回 日本人は台湾の土地を相続可能か

外国人が台湾の土地を取得できるかについては、まず、当該外国人が属する国と台湾との間に平等互恵の原則があるかどうか確認する必要があります。平等互恵とは、当該外国人が属する国で台湾人が、当該国の国民と同等の権利を享受することができることを指します。内政部は「外国人が台湾で土地の権利を取得できる、または土地上に権利を設定できる互恵国家の一覧表」をウェブサイトで公開しています。

日本とは完全平等互恵

日本は台湾と完全平等互恵の国のため、日本人は台湾の土地の所有権を取得でき、土地上に権利を設定できます。また、被相続人が死亡した際は、その所有する台湾の土地を相続することもできます。

台湾では、相続人の1人が相続人全体のために登記することが可能なため、知らないうちに相続人のうち1人より登記がされ、台湾の土地の所有者になる可能性もあります。

例外規定

日本人は台湾の土地を相続可能ですが、土地法第17条には例外規定があり、たとえ完全平等互恵の国であっても、相続の場合を除き、▽森林▽漁場▽狩場▽塩田▽鉱山▽水源地▽要塞(ようさい)軍備地域および台湾の境界の土地──については、外国人に対して移転、負担を設定、または賃貸することはできません。

また、相続により取得した場合も、相続手続きの完了日から3年以内に台湾の市民に売却しなければならず、期限を過ぎても売却しない場合、財政部国有財産局が公開入札を行います。

なお、2001年以前は、▽農地▽牧地──が土地法第17条の外国人が取得できない土地に列挙されていたため、日本人は台湾の▽農地▽牧地──を取得できないという話を聞いたことがあるかもしれません。これについては、01年10月12日の法改正により制限が外され、日本人も台湾の▽農地▽牧地──の取得、相続が可能になりました。


*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。

執筆者紹介

台湾弁護士 鄭惟駿

陽明大学生命科学学部卒業後、台湾企業で特許技術者として特許出願業務に従事した後、行政院原子能委員会核能研究所での勤務を経験。弁護士資格取得後、台湾の法律事務所で研修弁護士として知的財産訴訟業務に携わる。一橋大学国際企業戦略研究科を修了後、2017年より黒田法律事務所にて弁護士として活躍中。

本記事は、ワイズコンサルティング(威志企管顧問(股)公司)のWEBページ向けに寄稿した連載記事です。