第627回 廃棄物清理法の改正

2026年6月16日、立法院で廃棄物清理法(以下「本法」)の改正案が最終可決されました。改正後の本法は、28年7月15日から施行される予定です。今回の改正の主なポイントは以下のとおりです。

1、責任事業者の範囲拡大

 エネルギー転換や産業発展に伴い発生する新興廃棄物に対応するため、回収対象廃棄物の管理範囲を拡大しました。従来の対象は一般廃棄物が中心でしたが、今回の改正で一部の事業廃棄物にまで広げられました。

2、新興廃棄物の管理体制を整備

 再生可能エネルギー発電設備などの新興廃棄物について、責任事業者の範囲および納付義務を新たに規定しました。今後は、製造業者、輸入業者、設置業者に共同で回収・除去・処理の責任を負わせ、完全な責任連鎖管理メカニズムの確立を目指します。

3、再利用管理権限の統一

 今回の法改正により、現在各省庁に分散している事業廃棄物の再利用管理弁法を統合し、中央主管機関が関連する管理基準を統一的に策定します。これにより、再利用製品の品質管理、製造工程・設備の基準、および製品の認証・検証制度を確立するとともに、再利用製品の流通追跡および運用管理体制を強化します。

4、法執行の強化と厳罰化

 不法投棄行為を効果的に抑止するため、電子フェンスや監視カメラシステムなどのテクノロジーを活用した法執行ツールを導入し、廃棄物の流れを把握する能力を強化します。また、不法投棄には最高7年の有期懲役が科され、1500万台湾元以下の罰金が併科される可能性があります。さらに、環境上敏感な地域で犯罪をした場合、刑期はさらにその2分の1まで加重され、不法利益の追徴および環境回復の責任も強化されます。

 上記のとおり、今回の本法の改正は、製造業者、輸入業者等の責任を加重し、厳罰化するものです。施行日は28年7月15日とされていますので、改正後の本法が施行されるまでに、本法の改正内容を把握し、必要な措置を講じることをお勧めいたします。


*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は弊事務所にご相談下さい。

執筆者紹介

弁護士 福田 優二

大学時代に旅行で訪れて以来、台湾に興味を持ち、台湾に関連する仕事を希望するに至る。 司法修習修了後、高雄市にて短期語学留学。2017年5月より台湾に駐在。 クライアントに最良のリーガルサービスを提供するため、台湾法および台湾ビジネスに熟練すべく日々研鑽を積んでいる。

本記事は、ワイズコンサルティング(威志企管顧問(股)公司)のWEBページ向けに寄稿した連載記事です。