第225回 健康食品の製造または輸入

台湾において健康食品を製造、または輸入するには、健康食品管理法(以下、「法」という)の規定に従う必要がある。「健康食品」とは、衛生福利部が公告した保健効能を備えており、当該効能を表示しまたは広告した食品を指す(法第2条)。

そして、衛生福利部により公告された保険効能は以下の13項目である。

①肝臓保護、②抗疲労、③血液脂質調整、④血糖調整、⑤免疫調整、⑥骨質の保健、⑦歯の保健、⑧老化を遅らせる、⑨鉄分の吸収促進、⑩胃腸機能改善、⑪血圧調節補助、⑫体脂肪を形成しにくい、⑬アレルギー体質調整補助

製造、輸入には許可が必要

健康食品については、①成分、②規格、③作用と効能、④製造過程概要、⑤検査規格と方法、⑥関係資料と証明書と合わせて、⑦ラベル、⑧サンプルをもって、衛生福利部に検査・登記を申請し、同部が許可証を交付した後、はじめて製造または輸入ができる(法第7条第1項)。健康食品の製造・輸入許可証の有効期限は5年で、期限満了後に製造・輸入を継続するのであれば、期限到来前の3カ月以内に延長申請をしなければならない。延長申請をせず、または延長不許可となった場合には、原許可証は自動的に失効する(法第8条第1項)。

法第21条第1項によると、同部の許可を受けずに健康食品を製造または輸入した場合、3年以下の有期懲役に処せられ、100万台湾元(約360万円)以下の罰金が併科され得るため、本法の規制対象に該当し得る食品を製造または輸入する場合、細心の注意を払う必要がある。

容器などへの記載事項

健康食品の容器、包装または説明書には、中国語および通用符号を用いて、以下の事項をはっきりと表示しなければならない(法第13条第1項)。

(1)品名、(2)内容物の名称(2種類以上の混合物である場合、含有量の多寡を別々に表示)、(3)正味重量、容量または数量、(4)食品添加物の名称(2種類以上の食品添加物を混合して機能性を称する場合、食品添加物を別々に表示)、(5)有効期限、保存方法および条件、(6)製造業者の名称および住所(輸入する場合、域内責任業者の名称および住所)、(7)承認された効能、(8)許可証の番号、「健康食品」の文字および規格ロゴ、(9)摂取量、食用時に注意すべき事項、健康を害する可能性があることおよびその他必要な警告、(10)栄養成分および含有量、(11)その他衛生福利部が公告し指定した表示事項。

新たな記載事項

2017年12月29日、衛生福利部は、「健康食品に追加で表示しなければならない事項」を公告した。

これによると、カプセルまたは錠剤の健康食品の容器または包装上の注意事項には、「本製品は薬品ではなく、保健用に供し、罹病している者はなお治療が必要です。」(中国語原文:「本産品非薬品、供保健用、罹病者仍需就医。」)および「摂取目安量に従い、食べ過ぎないで下さい。」(中国語原文:「請依建議摂取量食用、勿過量。」)との表示をしなければならない。

また、カプセルまたは錠剤以外の健康食品の容器または包装上の注意事項には、「本製品は保健用に供し、摂取目安量に従って食べて下さい。」(中国語原文:本産品供保健用、請依建議摂取量食用。)との表示をしなければならない。

なお、本規定が施行された18年1月1日以降に健康食品許可証を取得した場合、直ちに本規定に従った表示が必要であるが、本規定の施行前に既に健康食品許可証を取得していた場合は、18年6月30日までを移行期とし、18年7月1日以降に製造する製品については、同規定に従った表示が必要である。


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執筆者紹介

弁護士 福田 優二

大学時代に旅行で訪れて以来、台湾に興味を持ち、台湾に関連する仕事を希望するに至る。 司法修習修了後、高雄市にて短期語学留学。2017年5月より台湾に駐在。 クライアントに最良のリーガルサービスを提供するため、台湾法および台湾ビジネスに熟練すべく日々研鑽を積んでいる。

本記事は、ワイズコンサルティング(威志企管顧問(股)公司)のWEBページ向けに寄稿した連載記事です。