台湾における医療機器管理に関する法規制

日本において一般医療機器に該当する自社製品の、台湾での展開を検討しておられる方もいらっしゃるのではないでしょうか。今回は、販売を含む、台湾における医療機器管理の関連法令をご紹介いたします。

1.医療機器とは

台湾における医療機器管理に関する法規制は、主に医療機器管理法(中国語:「醫療器材管理法」)及び同法の下位法令である「医療機器分類および区分管理弁法」(中国語:醫療器材分類分級管理辦法)に規定されています。医療機器管理法第3条は、医療機器について以下のとおり規定しています。

「 第1項

本法における医療機器とは、器具、機械、用具、物質、ソフトウェア、体外診断試薬およびその関連物品を指し、その設計および使用が薬理、免疫、代謝または化学以外の方法によって人体に作用し、次の主要な機能の一つを達成するものをいう:

一、診断、治療、緩和または直接的に人類の疾病を予防すること。

二、人体の構造および機能を調節または改善すること。

三、受胎を調節すること。 」

2.医療機器該当性の判断

「医療機器」に該当する場合には、医療機器管理法上の規制が適用されることとなります。具体的には、販売から広告に至るまで幅広く細かに規定されており、また罰則規定も定められていることから、違反した場合には多額の罰金等を科される恐れがあります。このため、台湾で販売等を行おうとする製品が「医療機器」に該当するか否かは重要なポイントとなります。医療機器に該当するか否かは、下記3つの方法により判断することが可能です。

(1)「西洋薬、医療機器、薬用化粧品の許可証検索システム」

当該システムは、「医療機器」の主務官庁である「衛生福利部食品薬物管理署」(TFDA)によって、過去に医療機器許可証が発行された商品を検索できるものです。仮に同システム上、自社製品類似の製品に対し許可証が発行された前例がある場合には、自社製品も「医療機器」に該当し得る可能性があることとなります。このため、判断における一要素として活用することが可能です。

(2)行政解釈「FDA器字第1121610005号」

2023年11月8日に発出された行政解釈「FDA器字第1121610005号 本庁が医療機器として規制対象とならないと認定した製品一覧」(中国語:經本署認定不以醫療器材列管產品列表)は、その名のとおり、TFDAが「医療機器」に該当しないと認定した製品がリスト化されています。このため、当該リスト記載の内容と比較して、自社製品が「医療機器」に該当するかを判断することが可能です。

(3)「医療機器属性管理検索申請」

最も確実な方法は、医療機器属性管理検索申請を行うことです。同申請は、「医療機器分類および区分管理弁法」第5条に基づき、製品が「医療機器」に該当するか否かの判定を、TFDAに対し求めることができるものです。もっとも、申請費用は1項目あたり3500台湾元であり、作業所要日数は90日間とされている点に注意が必要です。

満を持して自社製品の広告や販売の準備が整ったにもかかわらず、「医療機器」に該当する判断されてしまったがために、修正対応で販売時期が遅れ、罰金までも科されるような事態となってしまっては目も当てられません。スケジュールに余裕を持たせ、まずは主務官庁への問い合わせや専門家への相談をされることを強くお勧めいたします。


*本記事は、台湾ビジネス法務実務に関する一般的な情報を提供するものであり、専門的な法的助言を提供するものではありません。また、実際の法律の適用およびその影響については、特定の事実関係によって大きく異なる可能性があります。台湾ビジネス法務実務に関する具体的な法律問題についての法的助言をご希望される方は当事務所にご相談ください。

【執筆担当弁護士】

弁護士 黒田健二 弁護士 尾上由紀 台湾弁護士 蘇逸修 弁護士 秋口麻貴